14年前
1994年8月末のこと、私はカナダ・ノースウエスト準州のマッケンジー川という約1500kmの川をカヤックで下っている途中でした。
3ヶ月の旅も終盤になり最終目的地のイヌビクまで残り50km、海が近くなり川は湿地の中を迷路のように枝分かれしたマッケンジーデルタに入り、海からの逆風でいくらパドリングしても前に進まない日が続き体力的・精神的にもかなり参っていたある日、目の前に小さな狩猟小屋が見えてきました、そこには鹿狩りに来ていたイヌイットが滞在していて川から上がって凍えそうな私に暖かいスープを振舞ってくれたのです。このときばかりは本当に生き返ったような気分でした。
手前の村を出発してから約100km1週間、グリズリーの足あとだらけの泥地で眠っていた日々から開放され壁はなくとも屋根のある硬い床の上で快適な一夜を過ごしたのでした。夜中寒さのあまり目を覚ますと雪が降ってましたけど。
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