さわれる絵本
視覚障害者の支援活動やワークショップを開催してる生徒さんから、「触れる絵本」の構想を聞いたのが今年に入ってすぐの頃、小川未明さんの「野ばら」という短編を点字と革で表現したいということでした。
国境を挟んで向かい合う二人の兵士の話で、物語自体は比較的シンプルなのですが、だからこそ二人の感情の揺れや情景を表現することが大事であり難しいところ。
緑のスエードを2枚の台紙に包み並べて貼ることで大地に見立て、2枚の間に凹みができることで見えない国境を表現し、若い兵士と老兵をスムースとシボの革で表して、石碑のそばに野ばらを咲かせてと、、、苦心に苦心を重ねて二人の兵士の物語が見事に表現されてます。装丁にも十分にこだわった力作が完成しました。
大阪の吹田市にある「国立民俗学博物館」で9月2日から開催される「ユニバーサル・ミュージアム/ さわる”触”の大博覧会」にて展示されます、お近くの方、機会がございましたら是非お立ち寄りください。
| 固定リンク