2025年3月14日 (金)

点字を感じ取る指先

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視覚障害者の方の支援活動やワークショップを開催する生徒さんが、点字を書くための”展示器”を持ち込んで次回作品の構想を練っています。

ところで私はこの点字器なるものを初めて見たのですが、裏から器具を使って点を押し出して文字を作るため、表から見える文字と読み進める方向を全部逆から書かなければいけないのです、ちょっと説明を受けただけでも頭が混乱してしまいました。2枚目の写真の下段には「アイウエオ」と書いてあもらいました、点字は6個の点の組み合わせで文字を構成するらしいのですが、ここんな小さな文字でこんな微妙な凸凹を指先で読み取れる感覚はやっぱりすごいですね。

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2023年3月19日 (日)

3年ぶりのワークショップ

視覚に障害のある方の支援活動や一緒に創作活動をしてる生徒さんからのお誘いで始めたレザーワークショップでしたが、コロナの影響で続編が開催できないまま3年が経ってしまいました。

「そろそろ再開してみましょうか?」「そろそろですね」と話し合ってこの度3年ぶりの開催になりました。しかし主催側の私達が作業の段取り等をだいぶ忘れてしまい、我々のリハビリも兼ねて協力して頂く事になりました。  

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専用のゲージを作って糸を通す目をハトメ抜きで空けてもらってます。どこの穴が貫通してない、穴の大きさが揃ってない、斜めになりそうだから気をつける、などと指で触って確認して修正してもらいます。

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通常の糸や針よりも太いものを使用しますが縫う手順は本寸法の手縫で進めてもらいました、最初は針の通し順や抜き方で手こずるのですが、いったん慣れてしまうと皆さんでお喋りしながらスイスイと進めてしまうのでした。

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前回もでしたがコバにヤスリをかけてスベスベにして布海苔で磨く工程は皆さん興味深いようで、ひと作業ごとに触感が変わることに驚いたり楽しんだりしてくれました。

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こんな感じで物が作り上がる一通りの工程を体験して頂き、完成した時は「とても楽しかった」「また何かやりましょう」と感想をもらって私達も嬉しかったです。今後の課題として短い時間で完成する実用的なアイテムを増やしていく、スムーズに進めてもらうための段取りや専用の治具の準備、などまだ課題がありますがいろんな方に楽しんで体験してもらうことを目標に続けていこうと思います。やってる私も本当に楽しいワークショップです。

 

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2021年9月26日 (日)

さわれる図録

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先日紹介した、「さわれる絵本」が展示されてる『さわる!”触”の大博覧会』から図録が届きました。

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さすが”触る”をテーマにしてるだけあって表紙にも点字が施されてます。

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生徒さんの作品も解説入りで掲載されてますし、ユニバーサルについて様々な識者が寄稿されて学びの多い図録になってます。アトリエに置いてありますので興味のある方はぜひご覧になってください。

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2021年9月 1日 (水)

さわれる絵本

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視覚障害者の支援活動やワークショップを開催してる生徒さんから、「触れる絵本」の構想を聞いたのが今年に入ってすぐの頃、小川未明さんの「野ばら」という短編を点字と革で表現したいということでした。

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国境を挟んで向かい合う二人の兵士の話で、物語自体は比較的シンプルなのですが、だからこそ二人の感情の揺れや情景を表現することが大事であり難しいところ。

緑のスエードを2枚の台紙に包み並べて貼ることで大地に見立て、2枚の間に凹みができることで見えない国境を表現し、若い兵士と老兵をスムースとシボの革で表して、石碑のそばに野ばらを咲かせてと、、、苦心に苦心を重ねて二人の兵士の物語が見事に表現されてます。装丁にも十分にこだわった力作が完成しました。

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大阪の吹田市にある「国立民俗学博物館」で9月2日から開催される「ユニバーサル・ミュージアム/ さわる”触”の大博覧会」にて展示されます、お近くの方、機会がございましたら是非お立ち寄りください。

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2021年7月21日 (水)

イサム・ノグチ「発見の道」

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東京都美術館で開催されている”イサム・ノグチ”「発見の道」展へ。圧倒的に力強い作品を前にして、妙に神妙な心持ちになってしまいました。

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ノグチ氏はニューヨークにある自身の美術館に視覚障害の子供たちを招いて、思う存分作品を触って楽しんでもらうという活動もされてたようです。

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2021年7月14日 (水)

Gyre Gallery ”Our Life is Our Art”

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表参道”Gyre Gallery”で開催されてるアウトサイダーアート展へ。

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障害を持つ作家さん達のアート展。色使いや構図の迫力にはっと息を呑んだり、繊細な技法に驚いたり、表現豊かな素晴らしい作品が揃ってます。

 

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2021年4月 8日 (木)

紙・神経衰弱!?

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以前に視覚障害者ワークショップを開催した生徒さんから見せてもらった変わったトランプ。

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一見すると普通のトランプですが、、、

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柄も数字もない全て白紙のトランプです。。。

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しかしよく見るとそれぞれ表面の紙質が違います、というのもこれは数字や柄を合わせる神経衰弱じゃなくて紙質を合わせて遊ぶ神経衰弱のトランプなんです。端っこがめくれるようになっていて紙の説明も記載されています。

私などが触ってみてもよほど違いがある紙は分りますが、触っただけで同じ紙を合わせられるまではいきません。以前のワークショップの時に視覚障害者の方の手の感覚の鋭さには驚いたもので、私と彼らが対戦したら相手にならない事は明らかですが、指先の感覚を研ぎすまして指で見て指で感じる「紙神経衰弱」トランプ、一度挑戦したいものです!

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2019年8月23日 (金)

「ひろがる地図」

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浅草で時間調整になったので、空いた時間で現代美術館の「ひろがる地図」展をみて来ました。

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清澄白河の街を探検する参加型の作品があったり、地図をテーマに様々な作品が展示されてます。

中でも全盲の光島貴之さんが手がけた触れるアートと、「大地の芸術祭」でも刺さった栗田宏一さんの土の標本は興味深く見せてもらいました。

 

 

 

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2019年8月 8日 (木)

さわるえほん

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先日「視覚障害者ワークショップ」を開催した生徒さんから、「さわるめいろ」という本を見せて頂きました。

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点字の勉強や目の不自由なお子さん達向けなんでしょうけど、私達でもそのデザインや色使いや触った感触が楽しい絵本です。点字や迷路の部分は粘度の強いインク(?)で盛り上げてあって、これも奇麗にプクッと盛り上げるには高価なインクや印刷の技術が必要なんだそうですよ。

ユニバーサルデザインの観点からもこういう物がもっと広まれば良いのにな、と思う今日この頃です。

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2019年6月23日 (日)

視覚障害ワークショップを終えて

今回の試みは障害を持ってる方々と一緒に創作活動をしている生徒さんが、「視覚障害の方とワークショップをやりたいが会場の確保や道具の準備が難しい」との話を受けて私の方からウチのアトリエだったら私もお手伝いしますよ、と提案した事で開催が決まりました。

私は10数年前に”ダイヤログインザダーク”を体験した時の驚きを今でもはっきり覚えていて、今回話を頂いた際も全く目が見えない方がどんな風に作業をされるのかといった興味や、どのように伝えれば旨く進行出来るだろうという自身の挑戦といった意味でお手伝いをさせて頂いた次第です。そして色んな事に驚いて笑って楽しんだワークショップになりました。

皆さんの指先や臭いの感度はもちろん、障害物や空気感を感じ取る感覚も凄いと思いましたし、羨ましいのはそのコミニュケーション力です。言葉が一番の伝達方法なのでしょうけど、軽妙で的を得ていてボケやオチまで盛り込んだ話術に私は口を挟む暇もなく、ひたすら笑い転げる場面がたくさんありました。その辺に苦手意識がある私はそのスキルが羨ましいやらでしたが、場の空気に乗っかってただただ楽しませて頂いた感じです。

先日打ち上げがあって途中まで電車で一緒に帰った時も皆さんのお喋りは止まる事がなく、「先生引いてないですか?」と心配されるほどでしたが違うんです、口を挟む隙間がないだけで私も十分楽しんでるんです。。。ちゃんと歩けるかな、何かにぶつからないかな、と言った勝手な心配はあっさり覆されたわけです。

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写真のヘアバンドはハギレを持ち帰った方が自宅で作ったと見せてくれました、作業中に色んな革を触ってもらい説明してると皆さんイメージを膨らませて興味津々に聞いて質問してくれたことも大変嬉しかったです。

今回のワークショップは立案者の生徒さんの今後の活動の叩き台としてのトライアル的な要素がメインでしたが、私も何かの形で関わらせて頂きたいと思える有意義な時間になりました、またいずれ皆さんとお会い出来る日を愉しみにしています。

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