さわれる図録
先日紹介した、「さわれる絵本」が展示されてる『さわる!”触”の大博覧会』から図録が届きました。
さすが”触る”をテーマにしてるだけあって表紙にも点字が施されてます。
生徒さんの作品も解説入りで掲載されてますし、ユニバーサルについて様々な識者が寄稿されて学びの多い図録になってます。アトリエに置いてありますので興味のある方はぜひご覧になってください。
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先日紹介した、「さわれる絵本」が展示されてる『さわる!”触”の大博覧会』から図録が届きました。
さすが”触る”をテーマにしてるだけあって表紙にも点字が施されてます。
生徒さんの作品も解説入りで掲載されてますし、ユニバーサルについて様々な識者が寄稿されて学びの多い図録になってます。アトリエに置いてありますので興味のある方はぜひご覧になってください。
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視覚障害者の支援活動やワークショップを開催してる生徒さんから、「触れる絵本」の構想を聞いたのが今年に入ってすぐの頃、小川未明さんの「野ばら」という短編を点字と革で表現したいということでした。
国境を挟んで向かい合う二人の兵士の話で、物語自体は比較的シンプルなのですが、だからこそ二人の感情の揺れや情景を表現することが大事であり難しいところ。
緑のスエードを2枚の台紙に包み並べて貼ることで大地に見立て、2枚の間に凹みができることで見えない国境を表現し、若い兵士と老兵をスムースとシボの革で表して、石碑のそばに野ばらを咲かせてと、、、苦心に苦心を重ねて二人の兵士の物語が見事に表現されてます。装丁にも十分にこだわった力作が完成しました。
大阪の吹田市にある「国立民俗学博物館」で9月2日から開催される「ユニバーサル・ミュージアム/ さわる”触”の大博覧会」にて展示されます、お近くの方、機会がございましたら是非お立ち寄りください。
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表参道”Gyre Gallery”で開催されてるアウトサイダーアート展へ。
障害を持つ作家さん達のアート展。色使いや構図の迫力にはっと息を呑んだり、繊細な技法に驚いたり、表現豊かな素晴らしい作品が揃ってます。
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以前に視覚障害者ワークショップを開催した生徒さんから見せてもらった変わったトランプ。
一見すると普通のトランプですが、、、
柄も数字もない全て白紙のトランプです。。。
しかしよく見るとそれぞれ表面の紙質が違います、というのもこれは数字や柄を合わせる神経衰弱じゃなくて紙質を合わせて遊ぶ神経衰弱のトランプなんです。端っこがめくれるようになっていて紙の説明も記載されています。
私などが触ってみてもよほど違いがある紙は分りますが、触っただけで同じ紙を合わせられるまではいきません。以前のワークショップの時に視覚障害者の方の手の感覚の鋭さには驚いたもので、私と彼らが対戦したら相手にならない事は明らかですが、指先の感覚を研ぎすまして指で見て指で感じる「紙神経衰弱」トランプ、一度挑戦したいものです!
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先日「視覚障害者ワークショップ」を開催した生徒さんから、「さわるめいろ」という本を見せて頂きました。
点字の勉強や目の不自由なお子さん達向けなんでしょうけど、私達でもそのデザインや色使いや触った感触が楽しい絵本です。点字や迷路の部分は粘度の強いインク(?)で盛り上げてあって、これも奇麗にプクッと盛り上げるには高価なインクや印刷の技術が必要なんだそうですよ。
ユニバーサルデザインの観点からもこういう物がもっと広まれば良いのにな、と思う今日この頃です。
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今回の試みは障害を持ってる方々と一緒に創作活動をしている生徒さんが、「視覚障害の方とワークショップをやりたいが会場の確保や道具の準備が難しい」との話を受けて私の方からウチのアトリエだったら私もお手伝いしますよ、と提案した事で開催が決まりました。
私は10数年前に”ダイヤログインザダーク”を体験した時の驚きを今でもはっきり覚えていて、今回話を頂いた際も全く目が見えない方がどんな風に作業をされるのかといった興味や、どのように伝えれば旨く進行出来るだろうという自身の挑戦といった意味でお手伝いをさせて頂いた次第です。そして色んな事に驚いて笑って楽しんだワークショップになりました。
皆さんの指先や臭いの感度はもちろん、障害物や空気感を感じ取る感覚も凄いと思いましたし、羨ましいのはそのコミニュケーション力です。言葉が一番の伝達方法なのでしょうけど、軽妙で的を得ていてボケやオチまで盛り込んだ話術に私は口を挟む暇もなく、ひたすら笑い転げる場面がたくさんありました。その辺に苦手意識がある私はそのスキルが羨ましいやらでしたが、場の空気に乗っかってただただ楽しませて頂いた感じです。
先日打ち上げがあって途中まで電車で一緒に帰った時も皆さんのお喋りは止まる事がなく、「先生引いてないですか?」と心配されるほどでしたが違うんです、口を挟む隙間がないだけで私も十分楽しんでるんです。。。ちゃんと歩けるかな、何かにぶつからないかな、と言った勝手な心配はあっさり覆されたわけです。
写真のヘアバンドはハギレを持ち帰った方が自宅で作ったと見せてくれました、作業中に色んな革を触ってもらい説明してると皆さんイメージを膨らませて興味津々に聞いて質問してくれたことも大変嬉しかったです。
今回のワークショップは立案者の生徒さんの今後の活動の叩き台としてのトライアル的な要素がメインでしたが、私も何かの形で関わらせて頂きたいと思える有意義な時間になりました、またいずれ皆さんとお会い出来る日を愉しみにしています。
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前回からの続きで前胴にカードポケットの付いた預金通帳ケースを製作して頂いてます。
今回からいよいよ手縫いの行程に入ります。針に糸を通す行程は我々が対応しようと思ってたんですが、一応糸通しを体験してもらおうと渡したところ、、、これを通してしまったんですね。通常より太い針と糸を使ってるとはいえ、私が目を瞑ってどれだけ試しても無理です、それを指先の感覚だけで通せる事にはビックリです。
そのまま前回ポンチで開けた縫い目に沿ってカードポケットを波縫いで縫い付けてもらいます。
前と背の胴を張り合わせる行程は糊がはみ出さない治具を当てて、指でサイビノールを塗ってもらい貼り合わせ。
更に目打ち用の治具を当てて縫い目を開けていきました。
治具に関しては皆さんの意見を聞きながらこの企画の発案者の生徒さんとその場で対応しながら作ったりでなかなか忙しいのですが、始まる前には思いつかなかった事でも実際に状況を見てその場でアイデアが浮かんでくると面白いもんです。
そして縫う行程に入ります。2人の方は今まで通りに波縫いで、もう1人の方は普段の私達と同じように両端に針を付けてサドルステッチに挑戦、テンポ良くステッチも乱れず見事に縫い進めてます。
最後にコバを磨いてもらったら完成です、この作業を気に入ってる方もいて、徐々にコバがスベスベになってくる過程が楽しいと言います。普段の私も同じことを考えながらコバを磨いてますので共感してもらったようで嬉しくなりました。
そして見事に完成、皆さんお疲れさまでした!
今回のワークショップはこれにて終了です、皆さん根気強く付き合って頂き怪我もなく無事に終了できてホッとしています。
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今回は本番のワークショップを開催する前のたたき台として、普段私達が行っている作業工程を一通り経験して頂き、皆さんからアドバイスを頂くトライアル的な試みになっています。
コバ面をヤスリで整えてからフノリで磨き、ネンを入れてコバを仕上げました。
コバから5mm内にネジネンでガイドラインを引き目打ちを打って頂いたのですが、さすがにこの行程は判断が難しいとの事でしたので、
急遽1.5mm厚のボンテックスにハトメ抜きで縫い目を示す穴を開けた型紙を作りました、これにより型紙を革の床面に両面テープで固定してその段差に沿ってカッターで裁断したついでにポンチで縫い目も開けれる訳です。
縫い穴のピッチや大きさは改良の余地がありそうですが、私達も皆さんから意見を聞いて色んなアイデアが浮かんできました。
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それにしても皆さん物知りでお喋り好きで話が盛り上がりすぎてお互い作業を忘れることもしばしば、そのおかげで想定より余計に時間がかかってしまいますが、、、彼らの様な視覚障害の方とふれあう機会がほとんどなかった私ですが普通に楽しませてもらってます。
次回は1ヶ月後にお会いしましょう、また様子をレポートします!
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